「非認知能力」という言葉があります。

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認知能力というのは、IQや偏差値といった数値で表す事ができる能力の事です。それに対して非認知能力というのは「数値などで評価する事ができない能力」となります。例えば以下のようなものがあります。

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協調性・コミュニケーション力・主体性・自己肯定感

実行力・リーダーシップ・創造性・探究心

 

もっとアバウトに、「信頼できる」「集中力がある」「頼りになる」「ブレない」といった「素質」や「雰囲気」なども含まれるでしょう。

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一昔前であれば、こういった能力はそれほど重要ではありませんでした。日本社会全体が発展成長していたため、深く考えるよりも、効率的に作業をこなしていればその潮流に乗っていけたのです。例えば「より早く、より高品質に、より大量に、より安く」モノやサービスを提供する事が一つの正解でした。

 

しかしながら、現代の日本は全くの別世界になってしまいました。「VUCA（ブーカ）の時代」と言われるのですが、これは「先行きが見通せず、複雑で曖昧で、不確実な時代」という意味です。気候変動や大災害、コロナや戦争なども含めて、まさに現代社会は混沌としており、今後もその度合いはますます強まっていくでしょう。

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このような社会では、基本的に正解というものがありません。例えば東日本大震災やコロナ禍において、政府や国民がうまく対処できたかと言えばなかなか厳しかったのではないかと感じています。

 

そもそも日本は「失われた30年」と呼ばれる長期低迷から未だ脱する事ができず、今後は少子高齢化、物価の高騰、AI台頭による失業などが起こるだろうと言われています。私達はこれから一体どうすればいいのか？誰もが不安を抱え、希望を持てないまま過ごしているように思います。このような時代に求められるのものこそが非認知能力、つまりは「自分で自分の人生を切り拓いていく力」であると考えています。

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ではどうすればこの力を養う事ができるのか。残念ながら現代の学校教育はこの部分にはあまりフォーカスされていません。「探求学習」「アクティブラーニング」という言葉も聞かれ始めましたが、実態はなかなか浸透していないように思われます。

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それも無理からぬ事で、保護者が学校に期待しているのは依然として「よい進学」や「よい就職」であり、その基準は試験の点数なのですから、当然と言えば当然だと思います。

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学校とはちょっと違う場所で、ちょっと違う角度から、みんなが気付き合い、学び合い、育ちあう場になればと願っております。